自衛隊レンジャーになるには?合格率や費用を紹介します!

皆様、こんにちは。

皆様は、自衛隊の【レンジャー】って聞いたことがあるでしょうか?

 

陸上自衛隊におけるレンジャーとは、教育課程の一つであり、陸上自衛隊の全ての隊員が受ける教育ではないので、実際に自衛隊に勤務していても、中身を知らない事がほとんどです。

 

訓練自体はかなりキツイという事は分かっていても、具体的にレンジャー訓練に参加するとなると、どのくらいの期間がかかるのか、レンジャー期間中にどのくらいの費用がかかるのか、事前に知っておきたい事は多いと思います。

 

そんな方に、実際にレンジャーを卒業した体験者(30年近く前になりますが)として、体験談をお伝えしたいと思います。

  • レンジャーになるには?
  • 合格率はどれくらい?
  • どのくらいの期間?
  • 費用はどのくらい?
  • まとめ

の順にお伝えしていきます!

レンジャーになるには?

それでは、どうやったらレンジャーになれるのか、手順をお伝えしていきます。

 

と、その前にまずレンジャーについて全く知識がない方もいらっしゃると思いますので、簡単にご紹介していきます。

レンジャーについて聞いた事がある方は、レンジャー訓練と言えば、一般的には山の中に入って、蛇や蛙を食べたり、重い荷物を背負って歩いている映像が思い浮かぶと思います。

 

実際に、そんな訓練はありますが、ごく一部を切り取った内容です。

そして、レンジャー訓練に対する捉え方も一般の方と自衛隊員とでも違います。

一般の方からすると、なんとなくいかにも自衛隊っぽい厳しい訓練をしているイメージになると思いますが、実際の自衛隊員からすると、多くの隊員が出来れば参加したくない訓練No.1では無いでしょうか。

 

そして恐らく、自衛隊の訓練の中でもキツイ訓練の一つである事は間違い無いでしょう。

ちなみに私がレンジャー訓練に志願した理由は

  1. たまたま仲が良い先輩がレンジャー出身者だった
  2. そもそも好奇心が強く、せっかく自衛隊に入ったんだから経験できる事は経験したい

この2点です。

こう言うと気軽に参加したように見えますが、レンジャー訓練がどれだけキツイかは聞いていましたが、訓練期間の途中で自分から辞める決断はするつもりはありませんでしたので、途中で帰ってくる時は無事ではないと思い、レンジャー訓練が始まる前に生まれて初めて生命保険に入りました(実際途中で部隊復帰する者は殆ど病院送りでした)。

 

理由はどうあれ、レンジャー訓練に志願すると、まず最初に待っているのが【素養試験】になります。

 

 

素養試験の内容は?受かる秘訣はある?

レンジャー訓練は、精神的にも肉体的にも限界に挑戦するかなりハードな内容になりますので、健康体で、レンジャー訓練に耐え得る体力も必要になります。

その基準になるのが【素養試験】です。

 

素養試験では、身体検査体力測定水泳技能とあり、実際の試験では、懸垂土のう運搬かがみ跳躍小銃を持っての持久走水泳技能では立ち泳ぎなどがあります。

 

この体力測定は、普段鍛えていないとクリアーする事は出来ません。

そんな厳しい基準がある素養試験ですが、予め試験の内容は分かっていますので、対策が出来る為に半数以上は受かります。

加えて実は、正直なところ多少基準に足りなくても合格できます。

 

ただ、体力測定の最終種目である【小銃を持っての持久走】は確実に決められたタイムをクリアーする必要があります。

ですので、合格しようと思えば、素養試験を受ける前に、この持久走だけは走り切れるように練習しておく必要があるでしょう。

 

私も結構気軽に訓練参加を決めたのですが、いざ訓練に参加する事を想像すると、レンジャー訓練に対する恐怖で、レンジャー訓練前にいつもの仕事が終わってから、外出もせず、体を鍛えまくっていました。

 

そんなレンジャー訓練に参加しようと決意したものは、相当な覚悟があるはずですが、中にはプレッシャーに耐えきれず(かと言って辞めるとも言い出せず)、トレーニング中に自分で自分の足に鉄アレイを落としてわざと骨折する者までいました。

 

兎にも角にも、この【素養試験】をクリアーしなければレンジャー訓練に参加出来ませんので、【素養試験】に通る為に出来ることは悔いのない様にやり切りましょう!

 

 

 

合格率はどれくらい?

実際に素養試験をクリアーしてレンジャー訓練に参加できる人数はどれくらいの合格率になるかというと…。

部隊によって素養試験への参加人数・レンジャー訓練への参加人数は違ってきますが、私が参加した部隊の場合は、素養試験に参加した人数は約50人、素養試験に合格してレンジャー訓練に参加出来た人数は25人、そして最終的にレンジャー訓練を耐え抜いて卒業できた人数は21人でした。

 

これを合格率で表すと

訓練内容 合格率
素養試験合格率 50%
レンジャー訓練卒業率 84%

となります。

 

勿論、その期によって多少人数も変わりますが、大きな違いは有りませんので、参考にして頂ければと思います。

ここで注目して頂きたいのが、レンジャー訓練に参加した隊員が実際に卒業まで辿り着いた「レンジャー訓練卒業率」なのですが、怪我や病気に加え、精神的に耐えられなくなって途中で離脱していく隊員が少なからず出ています。

逆に今まで一人も離脱せずに全員卒業できたという話は聞いた事がありませんので、改めて覚悟が必要な事は覚えておいてほしいです。

 

 

 

どのくらいの期間?

実際にレンジャー訓練に参加した場合の期間ですが、まずレンジャー訓練の内容として、大きく【基礎訓練】と【行動訓練】に分かれます。

 

【基礎訓練】とは、主に基礎体力の向上と隊としての規律の維持、レンジャー隊員としての知識(ロープの結束方法・孤立した場合の生存自活方法など)を習得する機関になります。

 

【行動訓練】とは、実践を想定して、実際に山に入り、任務を遂行していく訓練になります。

想定は九つあり、様々な状況を想定して、敵陣地への侵入方法や情報収集方法、敵ゲリラ部隊の襲撃などを行います。

 

それぞれの実施期間は基本的に

訓練種類 期間
基礎訓練 約1ヶ月弱(4週間)程度
行動訓練 約1ヶ月半(7週間)程度

となっています。

 

ちなみに、私がレンジャー訓練を受けた時は、8月のお盆休み明けから10月の終わりまででした。

せっかくのお盆休みも気持ちが休まる事なく体を鍛え、連休最終日の夕方にレンジャー教育隊舎に向かう憂鬱な気持ちは今でも忘れられないです。

 

そして、体を鍛える基礎訓練の時期はとても暑く、行動訓練で山に入ると、朝方に霜が降りるほど寒かった記憶が有ります。

それでも、苦しい時には「時間が来れば終わる」と自分に言い聞かせて乗り切りました。

 

 

 

費用はどのくらい?

レンジャー訓練に参加する事によって費用としてはどのくらいかかるか心配になっている方もいらっしゃるかも知れません。

 

もちろん民間とは違いますので、教育費はかかりませんが、目安として、レンジャー訓練中にかかる費用をご紹介します。

項目 金額
アリスパック 約1万円
食費 約3万円
写真代 約1万円
衣類 約1万円

 

①アリスパック

レンジャー訓練に参加するにあたって特別に用意するものとしては、アリスパックくらいでしょうか。

アリスパックとは、元々米軍で支給されるバックパックですが、リュックサックなどとは違い、背中部分にフレームが入っていて、長時間重い荷物を背負っても疲れにくい作りになっています。

 

アリスパックの価格としては、2〜3千円から2〜3万円(プレミアがついている物はそれ以上)、と色々有りますが、レンジャー訓練で長時間使用する事を考えると、少なくとも1万円前後の物がいいと思います。

最近では、中古品でも色々出品されていますので、あまり費用をかけたくない方は、色々調べてみるのもいいでしょう。

ちなみに、私の場合は、先輩から譲ってもらいましたので、0円でした。

 

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②食費

意外とかかるのが食費です。

基本的に外出出来る日は少ないですが、部隊内の売店や外出した際は、レンジャー訓練参加前より確実にお金を使ってしまいます。

訓練期間中は常にプレッシャーをかけられ、毎日大きなストレスを感じて生活していますので、ある意味ストレス発散効果もあります。

 

そして、とにかく毎日体力を使い果たすので、栄養補助食品なども大量に購入しますし、外出した際は、レジャーを楽しむより飲食店をハシゴして、自分の限界を超えて食べまくる事になるでしょう。

 

 

③写真代

もしかすると部隊によって違いがあるかも知れませんが、実際にかかった費用として大きかったのが、写真代です。

レンジャー訓練参加中は、【基礎訓練】の時も【行動訓練】の時も大量に写真を撮られます(ほとんど助教が撮っています)。

確かに思い出として残しておきたい事に変わりはありませんが、量が多い!

そして撮影しているのが、助教(自衛隊員)ですので、あまり質が良くない!

おまけに自分が写っていない、なんだかよく分からないヘリコプターが飛んでいるだけの写真まで購入するハメになってました(愚痴を言っているわけではありません)。

 

最終的に一人2〜300枚購入しました。

ただ、写真代については、部隊によって違いがあると思いますので、実際に参加される方は、その部隊での前例を確認されると良いでしょう。

 

 

④衣類

衣類についても、個人的に改めて用意する必要がありませんが、レンジャー教育を受ける学生全員で統制してTシャツなどを購入する事になると思いますので(こちらも部隊によって違いがあるかも知れません)、頭に入れておかれると良いでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

今回は『自衛隊レンジャーになるには?合格率や費用を紹介します!』と題しまして、(陸上)自衛隊レンジャー隊員になるには、どんな事をするのか、レンジャー訓練に参加する為の素養試験の合格率や最終的に残る卒業率、そしてレンジャー訓練を卒業するまでの費用等を、実体験としてお伝えしました。

 

現役の自衛官の方で、レンジャー訓練に興味がある方やこれからレンジャー訓練に参加する予定の方、そして自衛隊に入隊した経験がなくても自衛隊に興味がある方には、実際に行われている内容は、皆さんが知らない情報をご提供できたのではないかと思います。

 

何はともあれ、特に現役の方で、まだレンジャー訓練に参加する資格がある方は、一度チャレンジしてみる事をお勧めします。

いつもありがとうございます

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